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ロジハラの罠:「ハイスペック」と呼ばれる人たちが引き起こす家庭内でのモラハラの実態

執筆者:cobeyaCOBEYA編集部

2024.11.9更新

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家庭内・パートナー間でのモラハラの一つに「ロジハラ」があります。この記事では、「ハイスペック」と呼ばれる人によるロジハラの実態とその影響、そしてそれに対処するための方法について詳しく見ていきます。

ロジハラとは何か

「ロジハラ」とは「ロジカルハラスメント」の略で、一見理性的で冷静に思える言動を使って、相手の感情や考えを否定したり、優位に立とうとしたりする手法です。言葉巧みに論理を駆使することで、感情や直感に頼る相手を圧倒し、支配していくのが特徴です。この手法が特に家庭内で見られる場合、感情的な対応を避け、冷静かつ論理的な立場を強調することで相手を圧倒し、優位に立とうとします。
「ハイスペック」と呼ばれる高学歴・高収入の人々は、その能力や成功体験によって自己肯定感が高く、職場ではリーダーシップを発揮し、社長などの役職に就いていることもあります。このような人物が、職場以外の場所でも自分の論理や考えを支配的に押し付けることがあり、これがロジハラとなって現れることがあります。

家庭内でどのようにロジハラが現れるのか

たとえば、夫が家庭内で自分の意見を押し通す際に、冷静な口調で一見もっともらしい理由を並べ立てることがあります。「感情で話すのは非論理的だ」「もっと冷静に考えてみて」と言った具合に、妻が抱える感情を軽視し、論理的な正当性で押さえ込もうとするのです。
また、家庭の問題に対して「数字で説明できるだろう」「この問題はデータで分析するべきだ」と言い、相手の直感や感情に基づく意見を無視することもあります。これにより、妻は次第に自分の感覚を疑い始め、「自分は間違っているのではないか」と思い込むようになります。最終的には、感情的な判断や意思表示を避け、ただその人物の理論に従うようになることが多いのです。
このような論理的なアプローチを多用することで、ロジハラを行使する人たちは家庭内で支配的な立場を確立します。家庭の重要な決定がすべてその人の論理的な枠組みに基づいて行われ、相手はその圧力に屈していきます。

「ハイスペ」によるモラハラの特徴:エリート心理がもたらす自己中心的態度

「ハイスペ」と呼ばれる人たちが抱えるモラハラ的な傾向は、職場での成功やエリート意識に基づく自己中心的な態度から来ていることが多いです。高学歴や高収入を誇る人々は、自分の能力に対して強い自信を持っている一方で、その優越感が家庭における支配的態度に繋がることがあります。
職場では、論理的な思考や冷徹な判断力が求められるため、そうした能力を家庭内でも過剰に発揮しようとすることがよくあります。「家庭での問題にも職場と同じように理論的な解決策を求める」という姿勢です。しかし、家庭内の問題には、単純に論理だけでは解決できない感情的な要素が絡むことが多く、そこに気づかず、感情的なニーズを無視してしまいます。
さらに、本人は自分の意見が常に正しいと信じているため、相手の意見や感情を軽視し、否定的な言葉を使うこともあります。「君は感情的すぎる」「理論的に考えればわかるだろう」というように、相手の視点を無視し、自己の論理を強制してしまうのです。
このような態度は、家庭内での感情面での距離を生み、相手は次第に自分の意見を言うことに対して躊躇するようになります。結果として、相手は感情を抑え込んで自分を犠牲にすることが増え、家庭内での立場がますます弱くなっていきます。

ロジハラが引き起こす家庭内のストレスと影響

ロジハラを行使する人のパートナーは、論理的に証明できない感情に対して「間違っている」とされることで、自己評価が低下し、最終的には大きな精神的ダメージを受けます。
また、ロジハラは子どもに対しても影響を与えることがあります。子どもが家庭内で目にする「論理的な支配」とは、感情や思いやりを重視したコミュニケーションが欠如したものです。このような家庭環境で育った子どもは、感情を抑圧することが「正しい」と感じるようになるか、逆に感情を過度に表現し、冷静に問題を解決する力が育たない場合もあります。

夫婦間におけるロジハラの具体例

実際のケースを想定してみます。
妻であるAさんは、子どもの進学先について心配しており、どの学校に進むべきかという意見を夫のBさんに求めました。するとBさんは冷静にこう言いました。「この問題は感情ではなく、データで考えるべきだ。進学先を選ぶのは、試験結果や学校の偏差値で決めるのが理にかなっている。」Aさんは「学習環境が子どもの未来にどう影響するか」を心配しており、学校の雰囲気や先生との相性を重視していましたが、Bさんは「偏差値」という論理的な指標に固執しました。Bさんは、Aさんの心配や直感を軽視し、「君の言っている内容には合理性がなく、全く理解できない」と自分の理論を押し通そうとしました。Aさんは次第に、自分の意見が感情的であるかのように思えてきて、Bさんの論理に従うべきだと感じるようになりました。こうした事例では、感情的な判断を無視され、論理的に押し込まれることで、Aさんは自分の考えを表現することができなくなり、次第に自信を失っていきました。
このように、論理的に圧倒されることで、パートナーは次第に自分の意見を言うことに躊躇し、家庭内で孤立していきます。

ロジハラからの脱却法

ロジハラから抜け出すためには、まずその存在に気づくことが重要です。感情を無視され、理論的に押さえ込まれていると感じたとき、それがロジハラであることを認識することが第一歩です。そして、冷静にその状況にどう対処すべきかを考えることが求められます。
一つの方法は、自分自身が感情や意見を尊重し、表現することです。頭がよく物事を論理的に捉える能力が高い人たちに対しても、自分の気持ちを伝える際には、理論的でなくても感情的な部分を大切にすることが重要です。夫婦間のコミュニケーションが良好でない場合は、第三者の専門家に相談し、相手にアサーティブなコミュニケーションを身につけてもらうことも一つの手段です。

まとめ:ロジハラに気づき、適切な対応を取ることが重要

ロジハラは、一見論理的で正当性をもっているように見えるため、最初は気づきにくいかもしれません。しかし、家庭内での感情的な支配が続けば、次第に深刻な影響を与えることになります。自分の感情や意見を大切にし、適切な方法で対応することで、ロジハラ・モラハラの悪循環を断ち切ることができるでしょう。

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