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家族なのに息苦しい…両親による面前モラハラが子どもの心に残す爪痕とは

執筆者:cobeyaCOBEYA編集部

2025.9.27更新

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親同士による怒号、無視、言い争い──自分に向けられた言葉ではなくても、毎日のように目の前で繰り広げられるやりとり。こうした「面前モラハラ」は、身体的な暴力がなくても、子どもの心を深く傷つけます。この記事では、父母間のモラハラが家庭に生み出す息苦しさと、それが子どもに残す“見えない傷”について解説します。

面前モラハラとは何か

「面前DV」という概念は広く知られるようになってきましたが、同様に、子どもの目の前で繰り返される夫婦間の精神的な攻撃や支配的なふるまいも、深刻な影響を及ぼすことがあります。いわば「面前モラハラ」の状態です。
たとえば、次のようなやりとりが、家庭内で繰り返されているケースが該当します。

このような言動は、子どもに向けられたものではなくても、その場にいる子どもにとっては、安心や信頼といった家庭に必要な心理的安全を奪う要因になります。直接的な暴力や暴言がなくても、日常的に支配的なコミュニケーションを見せられ続けることは、心理的な暴力と同じくらい、あるいはそれ以上に、子どもの成長に影響を及ぼすことがあります。

家庭内の空気から子どもが受け取るもの

モラハラ的なやりとりは、言葉だけでなく、態度や表情、沈黙にもあらわれます。たとえば、ある親がもう一方の親に対して一切口をきかず、冷たい視線や無視、ため息などを繰り返すといった状況が、長期間続く家庭もあります。
このような家庭では、子どもは「いつ機嫌が悪くなるか分からない緊張感」や「自分も巻き込まれるかもしれない不安」を常に感じることになります。親同士の間に生まれる強い感情のやりとりが、沈黙や張り詰めた空気という形で家庭全体に影響し、子どもはその空気の変化に非常に敏感に反応するようになります。
その結果、子どもは「空気を読む」ことに非常に長けるようになりますが、同時に、「自分の感情よりも周囲の状況を優先する」傾向が強まります。これは、自己肯定感や主体性の発達を妨げる要因にもなり得ます。

子どもが身につける適応とその代償

モラハラ的な関係の中で育つ子どもは、自分の感情や欲求を抑えて、「家庭を壊さないように行動する」ことを学ぶようにあります。これは、子どもなりの適応反応です。
たとえば、

といったふるまいが見られます。大人から見れば「手のかからない良い子」に映ることもありますが、実際には過剰な緊張や不安の中で生活している場合もあります。
このような環境では、「自分が何かを言ったら、また争いが起きるかもしれない」と感じ、常に周囲を優先し、自分を後回しにする行動が習慣化します。それにより、自分の感情がわからなくなったり、「自分には価値がないのではないか」という思い込みが形成されたりします。

表に出にくい不調とサイン

面前モラハラの影響を受けた子どもの中には、表面的には「問題のない子ども」に見えるケースも多くあります。学校では明るくふるまい、勉強も頑張っている、友達とのトラブルも少ない──こうした子どもが、実は家庭内では大きなストレスを感じているということがあります。
次のような兆候が見られる場合には、注意が必要です。

これらのサインは、子どもなりのSOSです。本人が「自分がつらい」と自覚していない場合でも、身体や行動にあらわれることがあります。

子どもを守るために大人ができること

子どもに問題が生じたとき、つい「本人の性格や適応力」に注目しがちですが、その背景にある家庭環境、とくに親同士の関係性に目を向けることが必要です。
大人同士の関係において、どちらかが支配的であったり、否定的な態度を繰り返していたりする場合、その関係が家庭全体の空気に大きく影響します。その空気の中で育つ子どもにとって、日常的なストレスは蓄積されていきます。
子どもに安心できる環境を提供するためには、次のような視点が大切です。

モラハラ的な関係は、時間とともに固定化されやすく、本人たちにとっても「普通のこと」として見過ごされてしまう傾向があります。しかし、その「普通」が、子どもにとっては過度な負担になっていることを自覚することが第一歩です。

子どもは見ているだけで影響を受ける

親同士のやりとりが直接的に子どもを傷つけるものでなくても、その場にいる子どもは、確実に影響を受けています。
「うちの子には関係ない」「子どもの前では怒鳴っていないから大丈夫」そう考えていても、家庭に漂う緊張感、視線、声のトーン、沈黙──このような非言語的な情報すべてが、子どもの心に蓄積されていきます。
子どもが「家庭は安心できる場所」と感じるためには、親同士の関係もまた、安全である必要があります

まとめ

家庭内のモラハラ的な関係は、暴力のように目に見えるものではありませんが、子どもの心に深い影響を残します。直接的に怒鳴られたり否定されたりしなくても、日常的に支配や否定の空気が漂う家庭では、子どもは緊張し、自由に感情を表現することができなくなります。
子どもの問題行動や不調の背景には、こうした環境要因が潜んでいることがあるため、まずは大人自身が、大人同士の関係性のあり方に目を向け、子どもが安心して過ごせる家庭環境を整えることが求められます。

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