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カサンドラ症候群とは?原因や具体例・対処方法について解説します

執筆者:fukudaCOBEYA編集部

2024.3.5更新

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カサンドラ症候群という言葉を聞いたことがありますか?パートナーや家族などの関係性から発症してしまう症状について解説します。

カサンドラ症候群とは?

カサンドラ症候群は、パートナーや家族など親密な関係性にある人がアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害、ASD)のために適切な意思疎通を築くことができず、精神的・身体的な症状が表れることをいいます。ただしカサンドラ症候群は、医学的に認められた病名ではありません。ギリシャ神話に登場するカサンドラが、アポロン神から予言の能力を授かったものの誰からも決して信じてもらえない呪いをかけられたことから、このような言葉が生まれました。

カサンドラ症候群が起きる関係性と具体例

カサンドラが起きる典型的な関係性は、夫婦やパートナー間です。例えば、一方のパートナーが二人の関係について一貫して懸念を表明したり予測したりしているのに、もう一方のパートナーによってそのような懸念が却下されたり無視されたりするような状況です。例として、Aさんという女性がKさんという男性と数ヶ月間付き合っているとします。AさんはKさんがだんだんよそよそしくなり、二人の関係に熱心でなくなってきたことを懸念し、何度か彼にそのことを話そうとしました。しかしKさんは彼女の心配を一蹴し「僕は何も変わっていない。Aさんは過剰反応をしているのだ」と言い放ちました。その結果、Aさんの警告は真剣に受け止められず、状況は悪化の一途をたどり、最終的に二人の関係は破綻してしまいました。
また職場や地域社会でもカサンドラの問題は起こりうります。例えば、Jさんという人が工場の設備点検を仕事にしているとします。Jさんは、工場内のいくつかの機械が適切にメンテナンスされていないことに気づき、何度も上司にこの問題を提起しました。しかし、上司は「機械は正常に動いている」「被害妄想が過ぎる」と、彼の懸念を一蹴します。その結果、Jさんの警告は真摯に受け止められず、ついには機械のひとつが故障し、事故が起きてしまいました。このケースでは、Jさんは、潜在的な危険を正確に予測しながらも上司に無視された「カサンドラ」のような存在と言えるでしょう。

カサンドラ症候群が引き起こす症状

すべての人間は、愛情、帰属、相互関係を必要としています。カサンドラ症候群に苦しむ人は、パートナーや家族からそれらを受け取れていないと感じることによって、「私のことを理解してくれない」「私は愛されていない」「私は必要とされていない」といった感情を抱きます。このような情緒的剥奪を経験することによって、自尊心が大きく傷つき、精神的および身体的健康に影響を及ぼします。

精神的症状の具体例
身体的症状の具体例

カサンドラ症候群の対処法

カサンドラ症候群を軽減するために最も効果的なのは、苦しんでいる本人とそのパートナーや家族の両方がそれを認め、理解しようとすることです。
ASDの人は、カサンドラ症候群を引き起こす要因を意図的に作り出しているわけではなく、そもそもパートナーや家族が何にどれくらい苦しんでいるかに気づいていないことがほとんどです。そのため、まずは両者の感情的なニーズの違いについて正しく理解することが大切になります。ただしパートナーがASDであるという診断や自覚がない場合は、改善への道のりは長くなる傾向です。セラピストやカウンセラーなどの専門家が関与した場合でも、ASDの訓練を受けていない場合には、パートナーや家族の苦しみを真剣に受け止めずについ相手を非難するパターンが続くことがあります。カサンドラ症候群を発症している人にとって、そういった振る舞いはさらなる孤独と憂鬱を招く要因になります。
お互いの苦しみを理解した後には、特にASDの当事者が、パートナーや家族が感情的に満たされていると感じられるような振る舞いを身につけることが有効的です。例えば次のようなことです。

またカサンドラ症候群の当事者は、次のように自分を労ることも大切です。

人はそれぞれ違うので、ある人にはうまくいっても、別の人にはうまくいかないことがあることを忘れないようにしてください。また二人だけでこれらの問題に取り組むことはとても骨が折れる作業になるため、専門家と一緒に、自分たちの状況に合った最善の方法を見つけることが重要です。

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