不妊がパートナーシップに与える影響
2024.3.5更新
子どもを授かりたいと思っているカップルにとって、不妊は感情と健康面に大きな影響を与える可能性があります。不妊と向き合っていくためには、お互いの心情をよく理解し合い、支え合う必要があります。
不妊が個人に与える影響
不妊に悩む人々は、悲しみやフラストレーションなど、様々な複雑な感情を抱くことが一般的です。また精神的な負担に加えて、不妊は身体に影響を及ぼすこともあります。不妊治療による身体的な不快感や痛み、感情面での葛藤によって、自分らしくいられなくなってしまうこともあります。
ここで不妊が与える個人への影響について、いくつか例を挙げてみます。
- 悲しみ:二人の間に未解決の対立や問題がある場合、パートナーに対する怒りを誘引しやすくなることがあります。
- フラストレーション:妊娠までに想像以上に時間がかかることで、フラストレーションを感じたり、途中で挫折したりしてしまうこともあります。こういったもどかしさが怒りにつながり、ストレスを感じることがあります。
- 孤立:不妊はとてもデリケートで個別性の高い話題なので、自身の悩みを他人に話すのは気が引けるかもしれません。そのため、孤立感や、誰も自分の苦しみを理解してくれないという感覚に陥ることがあります。
- 無力感:不妊になることで、自分自身の身体や将来をコントロールできないように感じることがあります。これは絶望感や無力感につながり、不安や落ち込みの原因となります。
- 身体の不調や痛み:体外受精などの不妊治療は、身体の不快感や痛みを引き起こす可能性があります。例えば、体外受精で使用する薬は、腹部の圧迫や吐き気、注射部位の炎症などの副作用を引き起こす可能性があります。
- 特定の健康状態へのリスクの増加:ある種のホルモン療法などの不妊治療は、血栓や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)など、特定の健康状態のリスクを高める可能性があります。
これらの問題に直面している人は、自身の気持ちや感情を大切にし、周囲からのサポートを求めることが重要です。また自分の身体の健康状態に注意を払い、必要に応じて適切な医療機関を受診してください。身体面での不安がある場合は、医師などの専門家に相談しましょう。
不妊がパートナーシップに与える影響
個人が直面する不妊による作用が、パートナーシップにも大きく影響することがあります。パートナーの一方または両方が不妊で悩んでいる場合、お互いにストレスや緊張、精神的苦痛を感じることがあります。また子供を授かることができないことに喪失感や悲しみを感じ、パートナーとの関係性そのものに負担をかけることもあります。
不妊に伴ってカップルが直面しやすい問題には、以下のようなものがあります。
- コミュニケーションの難しさ:特に一方のパートナーが不妊の影響をより強く受けている場合、悩みを打ち明けづらくなることがあります。また影響を強く受けているパートナーに共感することが難しくなることもあります。
- 感情的な態度:不妊により悲しみや怒りなどの感情が蓄積すると、パートナーに対しても強く当たってしまったり、イライラをぶつけてしまったりすることがあります。また不妊治療中はホルモンバランスが不安定になり、それが感情面にも影響を与えやすくなることもあります。
- 意思決定の負担:不妊治療を行うか、養子縁組をするかなど、二人の将来について難しい決断を迫られる場面が増えます。このような決断は一生を左右するので、双方に大きな負担となります。
不妊がもたらす影響をパートナーと克服する方法
不妊は、カップルにとって困難な状況を招く可能性があります。しかし双方がこれらの問題を克服し、関係を強化するためにできることがあります。以下にいくつかの具体的な方法を示します。
- 率直で正直に会話する:不妊に関連する感情や懸念について、パートナーとお互いに率直で正直に伝え合うことが重要です。そうすることで、お互いをより良く理解し、サポートの方向性を見出すことができます。
- 外部のサポートを求める:不妊は、長期にわたって精神的に大きな負担となることがあります。友人、家族、または不妊に悩む人々のためのサポートグループに手助けを求めることを検討してください。
- 身体・精神的なケアをする:不妊は、肉体的にも精神的にも負担を強いられます。適度な運動や健康的な食事、十分な休養をとり、趣味やリラックスできる時間を確保して心を休ませることも大切です。また必要であればセラピーやサポートグループなどのリソースを探すことも必要です。
- お互いのための時間を作る:カップルの時間が全て不妊に関連することで埋め尽くされてしまう状況を避けましょう。デートや二人で楽しめるアクティビティ、あるいはただ一緒に充実した時間を過ごすためだけの時間を設けましょう。そうすることで、二人の絆を深めることができます。
- 選択肢を検討する:不妊治療、養子縁組、代理出産など、不妊に直面しているカップルが利用できる選択肢はたくさんあります。二人で話し合い、二人の関係や将来にとって何がベストなのかを決めることが大切です。
不妊に悩むパートナーにできること
パートナーが不妊で悩んでいる場合、相手の気持ちやニーズを理解し、サポートすることが大切です。以下は、そのためのいくつかのポイントです。
- 忍耐強く接する:不妊は精神的に負担がかかるものです。パートナーは、悲しみ、フラストレーション、怒りなど、様々な感情を抱えているかもしれません。忍耐強く理解に努め、サポートや励ましを与えることが大切です。
- パートナーの気持ちやニーズを尊重する:パートナーの不妊に関する感情やニーズを尊重することは、たとえ完全にその苦しみを理解していなくても、重要なことです。もしパートナーが自分の感情を処理するための場所や時間を必要としているならば、必要なサポートを差し出しましょう。
不妊は夫婦やカップルに大きな影響をもたらす可能性がありますが、お互いの気持ちとニーズを率直に伝え合い、サポートし、尊重することでこれらの課題を一緒に解決していきましょう。