夫婦カウンセリングとは?カップルセラピーとの違いも解説
2024.3.5更新
日本でも利用が増えている夫婦カウンセリング。一体どんな時に利用すれば良いのでしょうか?カウンセリングの内容や料金、効果についても解説します。
夫婦カウンセリングとは?
夫婦カウンセリングとは、妻・夫・カウンセラーの三名で、夫婦間で問題になっていることについて話し合い、関係改善を目指すためのカウンセリングです。
夫婦カウンセリングは、カップルセラピーの一部です。ただし細かい点でカップルセラピーとは異なります。例えばカウンセリングの対象が夫婦または家庭を運営するパートナー同士であること、また家庭内での夫婦の現実的な問題に焦点を当てて、それを解決するためのコミュニケーション法と解決策を探っていくことが挙げられます。カウンセラーは夫婦両者の意見に耳を傾け、整理し、二人が「良し」とするポイントを見つけるためのサポートを行います。
夫婦カウンセリングは比較的短期間で集中して行う傾向にあり、12回前後でカウンセリングを終えることが多くなっています。
夫婦カウンセリングの意義
現代はより自由で複雑な社会です。働き方や子育て・夫婦の在り方は、数十年前と比較するとずいぶんと多様な形が存在しています。また経済情勢、安全保障、ウイルスなどの目に見えない脅威からSNSまで、個人が日常生活から受けるストレスも増え、それが夫婦など身近な人との関係を脅かす要因にもなります。リモートワークが中心になったことで、お互いの距離感がわからなくなってしまった夫婦もいるでしょう。
日本では結婚した夫婦の3組に1組が離婚すると言われています。結婚生活を続けることは、当初に想定していたよりも多くのエネルギーとコミットメントを必要とします。そしてそれには決まった型というのは存在しません。夫婦である二人が「良し」とするポイントを見つけていく作業なのです。
夫婦カウンセリングの効果
AAMFTによると、夫婦カウンセリングを受けたクライアントへのその後の調査で、以下のようなことが明らかになっています。
- 約90%のクライアントが、精神的な健康状態の改善を報告しています。
- 約65% のクライアントが、身体的な健康状態の改善を報告しています。
- 75%以上のクライアントが、夫婦関係の改善を報告しています。
- 大多数のクライアントが、職場における生産性の向上を実感しています。
もちろん、すべてのクライアントに成果が出るわけではありません。また夫婦関係自体は解消してしまっても、お互いが納得いく形で離婚を選び、カウンセリングを終えるケースもあります。
カウンセリングの効果を最大化するためには、こちらの記事も参考にしてください。
夫婦カウンセリングの流れ
大まかな流れはカップルセラピーと同じです。
- カウンセリングの目標を設定します
- 夫婦間で問題となっている出来事を特定します
- どのようにすることで問題を解決できるのか方法を探り、行動を改善していきます
しかし夫婦カウンセリングにおいては、個々の内面や価値観などについて掘り下げる時間を減らし、代わりに現在起きている問題とその解決方法を見つけることに時間を割いて取り組む傾向があります。
夫婦カウンセリングの料金
カップルセラピセラピー同様、金額はカウンセラーの経験や提供方法によって千差万別です。しかし夫婦カウンセリングに関しても、60分あたり15,000円前後が一般的な価格帯であると考えて良いでしょう。
夫婦カウンセリングを受けられる人
夫婦関係にある二人はもちろん、事実婚のカップルや、離婚後に子育てなどを共同で行う間柄にある二人も、夫婦カウンセリングの対象となります。
ただし夫婦の間にDVがありどちらかがもう関係の修復を望んでいない場合や、一方がメンタルヘルス上の問題を抱えていて通院が必要、もしくは現在通院中で主治医によるカウンセリングの許可がない場合などは、夫婦カウンセリングを受けることはできません。
夫婦カウンセリングで取り上げられることの多い問題
次のような問題は、夫婦カウンセリングにおいて挙がることの多い議題です。
- 子ども・子育てに関すること
- 2人の間に子どもを儲けたい/儲けたくない。
- 子どもを今すぐ儲けたい/もう少し仕事を続けてから儲けたい。
- 夫や妻に不妊治療を受けてもらいたい。
- 子どもができなかった場合、養子を迎えたい。
- 子どもにどんな教育を受けさせるか、意見を一致させたい。
- 家庭での役割に関すること
- もっと家事や育児に協力してほしい。
- 家事や子育ての役割分担を明確にしたい。
- できるだけ長く育児休暇を取得してほしい。
- 金銭面に関すること
- 夫や妻に無駄遣いをやめてもらいたい。
- 夫婦がお互いに収入があるので、家計を別々にしたい。
- 家計を分ける際、それぞれが家庭のどの分野に関する金銭を負担するのか決めたい。
- 住宅や自動車など、大きな買い物をしたい。
- 各々の趣味や付き合いにどのくらいのお金を割いて良いことにするのか決めたい。
- 夫や妻に仕事に就いてほしい。
- 不貞に関すること
- 不貞を働いたことを許してもらいたい。
- 夫や妻の異性との関わり方を見直してもらいたい。
- セックスに関すること
- セックスの頻度を上げたい/下げたい。
- セックスの仕方を変えたい。
- コミュニケーションに関すること
- 各々が自分のために使う時間を確保したい。
- 二人だけで外出するなど、夫婦で楽しむ時間を作りたい。
- 家庭の運営や個人的な問題に関してお互いに相談する時間を設けたい。
- 攻撃的な言葉遣いや態度をやめてほしい。
- 日々の連絡頻度を見直したい。
- 両親や義実家との付き合いに関すること
- 両親と同居をしたい/したくない。
- 両親の介護をしたい。
- 両親が介護施設に入るための費用を工面したい。
- 夫や妻の帰省の回数が多すぎる。
- 夫や妻の両親との連絡頻度が高すぎる。
- その他の問題
- アルコールやギャンブル、ニコチンへの依存をやめてほしい。
- 勉強や起業の準備・持病の治療に専念したいので、仕事を辞めたい。